Contents
平均値の算出方法
本記事では、Excelで平均値を算出する方法について解説していきます。
Excelで平均値を算出する方法は、3つ存在します。
平均値の算出方法1:AVERAGE関数
Excelで平均値を算出したい場合は、AVERAGE関数を利用します。 AVERAGE関数では、以下のように数値を引数として扱います。
=AVERAGE(数値)
引数となる数値には、平均値を求める対象の「値」や「セル番地 (B2など)」、「数式」などを入力します。
例えば、以下のような5教科のテストを受けた際の5人の生徒の点数データがあるとします。

このデータから、国語の平均点を求めたいとします。この場合、AVERAGE関数の引数に、国語列の生徒A~生徒Eまでの行をキーボードの入力かマウスのドラッグで指定します。

上のような数式を完成させた後は、Enterキーを押します。

すると、国語の平均点が求まりました。
次に、生徒Aの全教科の平均点を求めたいとします。この場合、 AVERAGE関数の引数に、生徒A行の国語~英語までの列をキーボードの入力かマウスのドラッグで指定します。

先ほど教科別平均点を求めたときと同様に、上のような数式を完成させた後は、Enterキーを押します。

すると、生徒Aの平均点が求まりました。
最後に、国語の平均点を求めたように、他の教科の平均点も求めてみましょう。
残り4つにも同じ作業を繰り返すのは面倒と感じた読者もいるかもしれません (いや、ほとんどの読者がそう感じたでしょう) 。
しかし、心配はご無用です。これらの平均値を一括で求めることができます。
その方法をこれからご説明します。
まず、先ほど求めた国語の平均点のセルをクリックし、指定してください。
すると、下の図のように、クリックしたセルが緑色の太枠で囲まれるはずです。

更に、緑色の太枠の右下にある正方形にマウスのカーソルを合わせます。
すると、カーソルの矢印が黒色の十字に変わったはずです。
その十字にカーソルを合わせたまま、英語のセルの右下までドラッグします。
最後に、そのままの位置でドラッグを離すと、下の表のように各教科の平均点がそれぞれ求まります。

生徒別の平均点に関しても、列で行った今回の操作を行で同様にすることで求めることができます。
平均値の算出方法2:オートSUMボタン
「ホーム」タブの「編集」に存在するオートSUMを用いることでも、平均を求めることができます。先ほどのAVERAGE関数を用いる方法の次にメジャーな方法だと思います。
まず、「ホーム」タブからオートSUMボタンをクリックします。詳しい位置は、下の画像に掲載しました。

次に、オートSUMの「▼」ボタンをクリックし、その中の「平均」をクリックします。
すると、次の画像のように、平均値を求めたい範囲が自動選択されます。

同様にして、他の生徒の平均点も同時に一括で求めることもできます。
まず、下の画像のように、一括で平均を求めたいセルを全て選択します。

次に、先ほどと同様に「オートSUM」の「平均」をクリックすれば完成です。

平均値の算出方法3:ステータスバー
最後に紹介する方法は、データの平均をセルに入力する必要がなく、目視で確認だけしたい場合に有効な手段です。
ステータスバーには、「平均」以外にも、「データの個数」、「数値の個数」、「最大値」、「最小値」、「合計」を表示することができます。
下の画像の、「平均」と「データの個数」と「合計」が記載されている場所を右クリックすると、「ステータスバーのユーザー設定」が表示されるので、表示したい項目にチェックを入れるとそれらが表示されるようになっています (筆者の場合は、「最大値」、「最小値」、「数値の個数」は表示されないように設定してあります) 。

このステータスバーの機能を利用して平均を求めてみます。
今までと同様に、平均を求めたい範囲のセルを選択します。
その後、ステータスバーを確認すると、平均が求まっているのが分かります。

ただし、あくまでも目視で確認するためだけですので、選択を解除すると平均も消えてしまうところには注意しましょう。
もちろん、同じ範囲を再度選択しなおせば、再度表示は可能です。
AVERAGE関数の計算対象になるもの/ならないもの
AVERAGE関数では、平均値を出す際の分子にも分母にもカウントされないものも存在します。つまり、AVERAGE関数での計算対象範囲に含まれていても、存在しないものとして無視されるものがあるということです。
計算対象になるものとならないものの代表例を下のリストに羅列してみました。
- 計算対象になるもの…「0」
- 計算対象にならないもの…「文字列」、「空白セル (「””」も含む)」、「論理値 (TRUE or FALSE)」
実際、筆者がこれらを含むデータを適当に作成して、それぞれの平均値を求めてみた結果が次の画像の通りです。

計算対象にならないものが入力されているセルまで引数に範囲として指定して平均を算出した場合、AVERAGE関数は計算非対象セルを無視した平均値を返します。このようにして平均を求めても、エラーメッセージは出ません。
「0」を除外した平均値の出し方
先ほど説明したように、数字の「0」は平均値の計算対象となっています。例えば、データが無いために空欄となっているセルに、便宜的に0を代入すると、対象セルがAVERAGE関数の引数となっている場合は、求めるべき平均値に影響を与えてしまいます。つまり、”本当の”平均値を求めることができません。
このようなときに、0を無視して平均値を求めたい場合は、「AVERAGEIF関数」を用います。 AVERAGEIF関数は、以下のように数値と桁数を引数として扱います。
=AVERAGEIF(数値,条件)
数値の引数には平均値を、条件には平均値の対象とする数値の条件を代入します。
このAVERAGEIF関数を用いて、「0」を除外した平均を求める方法は次のようになります。
=AVERAGEIF(F2:F5,<>0)
条件の引数に存在している「<>」は、「~を除く・~以外」を意味しています。
つまり、=AVERAGEIF(F2:F5,<>0) は、0の入ったセルを計算範囲から除外した上でのF2からF5の平均値を求める数式となっています。
平均値の小数部分を丸める方法
最後に応用として、AVERAGE関数を用いて算出した平均値の小数点を丸める (整理する) 方法を説明します。小数点を丸める方法には、次の3パターンが存在します。
- 四捨五入
- 切り上げ
- 切り捨て
以下では、これら3パターンの実行方法について説明していきます。
求めた平均値を四捨五入する
求めた平均値を四捨五入したい場合、ROUND関数を用います。ROUND関数では、以下のように数値と桁数を引数として扱います。
=ROUND(数値,桁数)
数値の引数には平均値を、桁数の引数には小数点第何位までを表示したいかを代入します。
具体的な例を挙げると、次のようになります。
=ROUND(66.66,1)
この場合返される結果は、「66.7」となります。66.66の小数第1位までを表示したいので、小数点第2位を四捨五入しているというわけです。
値の引数には、AVERAGE関数を直接代入することもできます。その場合、次のような書き方になります。
=ROUND(AVERAGE(A2:A4),1)
求めた平均値を切り捨てる
求めた平均値を切り捨てたい場合、ROUNDDOWN関数を用います。ROUNDDOWN関数でもROUND関数と同様に、数値と桁数を引数として扱います。
=ROUNDDOWN(値,桁数)
数値の引数には平均値を、桁数の引数には小数点第何位までを表示したいかを代入します。
具体的な例を挙げると、次のようになります。
=ROUNDDOWN(66.66,1)
この場合返される結果は、「66.6」となります。66.66の小数第1位までを表示したいので、小数点第2位を切り捨てているというわけです。
ROUND関数と同様、値の引数には、AVERAGE関数を直接代入することもできます。その場合、次のような書き方になります。
=ROUNDDOWN(AVERAGE(A2:A4),1)
求めた平均値を切り上げる
求めた平均値を切り上げたい場合、ROUNDUP関数を用います。ROUNDUP関数でもROUND関数やROUNDDOWN関数と同様に、数値と桁数を引数として扱います。
=ROUNDUP(値,桁数)
数値の引数には平均値を、桁数の引数には小数点第何位までを表示したいかを代入します。
具体的な例を挙げると、次のようになります。
=ROUNDUP(66.66,1)
この場合返される結果は、「66.7」となります。66.66の小数第1位までを表示したいので、小数点第2位を切り上げているというわけです。
ROUND関数と同様、値の引数には、AVERAGE関数を直接代入することもできます。その場合、次のような書き方になります。
=ROUNDUP(AVERAGE(A2:A4),1)
コメントする